色や香りに敏感な人は記憶力がいい
色や 匂い、 味などを 繊細に感じられるかどうかは、それを他のものと区別できるかということにかかってきます。
例えば私たちが「赤」と言って表している色には、多数のバリエーションがあります。
色味の違い、明度の違い、4彩度 の違いなど様々です。これらの違いを認識できるかどうかは、それが記憶力を左右してくるのです。
同じ色でも明度の違いで区別できる人とできない人では、色の受け取り方が全く違ったものになります。色から受ける脳の刺激も、鋭くなるのです。
先述したように、世界がどう見えるかというのは、外から受けた色の情報を自分の脳の中でどのように再構成ができるかにかかっています。
つまり、世界が鮮やかにはっきりくっきり見える人は、それだけ情報の再構築がうまくできている、ということなのです。
私の知り合いに、色を作る仕事をしている人がいるのですが、その人はとても記憶力がいいのです。白は白でも、その人には「何色にも見える」そうです。
同じように一流の料理人には、記憶力のいい人が多いものです。ある特定の感覚が秀でている人は、総じてそれによって記憶の力もアップするようです。
都会にいるとなかなか感じられませんが、空気のきれいな地方にいくと、星の多さに圧倒されます。
満天の星空を眺めていると、この中から北極星など覚えておくべき星が見つけることがいかに難しいかがわかります。
昔の人達は、知恵を使ってこの星空を覚えてきました。その一つが星座です。
昔から人々は星と星をつなぎ、それを絵にして、なおかつ物語をつけて覚えてきました。「意味合いをつける」ことは、記憶するための発明の一つです。
ただの星の集まりを、他の感覚に置き換えているのです。
私たちはその星座の物語を、繰り返し話したり聞いたりすることで、さまざまな感情を呼び起こされます。