「繰り返し」で短期記憶を長期記憶にできる
「短期記憶と長期記憶を使い分けたい」と思っている人は、多いものです。そして実際に、短期記憶と長期記憶は使い分けることができます。
公式で見てきたように、刺激の強さと繰り返しの回数を調整すればいいのです。人それぞれに固有の繰り返しの回数があるように、
受ける刺激の強さにも違いがあります。理論的には、短期記憶にしたいか長期記憶にしたいか、これらの数値を変更させることで、
望んでいる記憶のレベルにもっていくことができるのです。
記憶力は超能力ではないので、自分の記憶保持に必要な「繰り返しの回数は、計測しておかなければなりません。
レベルアップはもちろん可能ですが、まずは今の自分の実力を知っておくことが必要です。
長期記憶に定着させるために、「自分は何回繰り返せば覚えるのか」を知ることも必要です。
1章でお話ししたように、長期記憶にもっていくために必要な繰り返しの回数は人それぞれです。
5回で長期記憶への移行をOKとする脳の持ち主もいれば、同じ内容に10回かかる人もいます。
回数をこなせば、記憶できる数は増えていきます。最初は10個中5個しか覚えられなかったのが、時間をあまりあけずに2回目を行うと6個、7個と増えていきます。
何回繰り返したら長期記憶に移行できるのかを知っておくことで、勉強の計画が立てやすくなり、暗記にどれくらいの時間を割いたらよいかがわかるようになります。
すべての物語に対して、何回繰り返したら100%覚えられるのかを計るのは大変ですから、基本的なもの、たとえば英単語などで時運の現在の能力を計っておくとよいでしょう。
こうすることで、自分は何回繰り返せば、短期記憶から長期記憶にもっていくことができるのかがわかるようになります。
管理職であれば、部下が「何回で記憶できるか」を知ることで、うまくマネジメントすることができるようになります。
仕事を覚えるために、何回繰り返せばいいのかは、人によってそれぞれです。ある人は2回でも、ある人は5回かもしれません。
相手の記憶できる力というのをしっていなければ、2回でわかる部下に5回も説明していやがられたり、
5回説明が必要な部下に2回しか説明せずに仕事が滞るといったことが起こるでしょう。