速読と記憶術と脳科学と…

速読と記憶術と脳科学と…

イメージ力アップの仕方を身につけよう

私たちはイメージ力を上げるための教育を、ほとんど受けてきていません。反対に、言語力を上げるためのトレーニングは充実しています。

小学生の頃から毎日国語の勉強をしてきましたし、文法構造だけでなく、文の構成や、内容行間を読み取る訓練も長年行ってきました。

なおかつ多くの人が日常業務の一環でパソコンを使い、連絡手段として SNS やメールを使っている現在、

日々のやり取りはほとんど文字情報で占められています。記憶という作業を行うときにも、どうしても文字情報に偏ってしまうのも、無理もありません。

本書では、岩間で学校教育でも素通りされてきた、「色」と「形」を学び直すことで、イメージ力のアップにつなげていきます。

何かを頭の中でイメージすることが苦手な人に共通して言えることは、イメージする上で必要不可欠な「色」と「形」に対する情報が圧倒的に不足している点です。

イメージ力は「色」と「形」 に関してのトレーニングをすることで、鍛えることができます。

それらの「分解と合成」を一度しっかり学べば、イメージ力は格段にアップするのです。

 

色や形の訓練を日常的にしている人は、例えばデザイナーです。私たちが単に「白」と思う色でも、デザイナーには何とおりもの白に見えるそうです。

こういった人は、イメージ力が非常に強いだけでなく、記憶力も優れていることが多いのです。

なぜなら同じイメージでもぼんやりではなく、くっきりと頭に描くことができるからです。

五羽の似たような白い鳥の名前を覚えようとした時、全部が「同じ白色の鳥」に見える私たちと、

「全く違う白色の鳥」に見える人とでは、どちらが鳥の名前を記憶しやすいでしょうか。

言うまでもなく、「全く違う白色」に見える人の方です。これは形も同じです。

微妙な形の差、例えばくちばしのカーブの角度などを素早く認識できれば、同じような鳥も全く違った鳥として見えるわけです。

このように、世界は全く見る人によって全く違ったものに見えています。イメージ力の高い人 世界はより鮮やかで、 より詳細に写っています。

「同じものを見ているのだから、 同じに見えるに決まってるじゃないか」と思われるかもしれませんが、そうではないのです。


なぜなら私たちは目で見た「情報」を、個人個人が脳で一旦分解し、合成し直しているからです。