速読と記憶術と脳科学と…

速読と記憶術と脳科学と…

私たちは目ではなく、脳で見ている

視覚野に送られた情報は、色、形、明るさ、位置などそれぞれの情報に分解されます。

例えば、色にはそれぞれの「波長」があります。人が色を認識できるのは、大脳が視細胞の錐体から送られた「波長の情報」を分析しているからです。

赤の波長の割合が高ければ脳は赤と認識し、緑の波長の割合が高ければ脳は緑と認識します。

つまり、私たちは色そのものを見ているのではなく、この波長の掛け合わせによって「自分の脳が作り出した色」を見ているのです。

そう考えると、私たちは自分の脳が作り出せる色しか見えない、ということがわかります。

美の巨匠が書いた絵を見て感動できるかどうかは、巨匠の絵を自分の脳が再合成できるかにかかっています。

同じ絵を見ても、それが数十種類の色を用いた鮮やかなものに見える人と、ぼんやりとした印象しか持てない人がいるのです。

つまり、私たちは同じ世界を見ているようで、全く別のまた世界を見ていると言えるでしょう。

私たちは脳で世界を見ているため、脳で情報を再合成する能力が優れてる人の方が、鮮やかに世の中が見えています。

加齢などで、気づかないうちに再合成する力が衰えてしまっている人もいます。

物が鮮やかに脳の中で再合成できなくなると記憶力にも影響が出てきます。なので色に対するトレーニングでは、

色のバリエーションをたくさん覚えるだけではなく、補色、グラデーションなどを感じられるように訓練します。